創業相談や、創業後しばらくして事業が軌道に乗ってきた方から、法人化についての相談を受けることがしばしばあります。
「法人化のメリットはなんですか?」や「どのタイミングで法人化したするのがいいですか」など個人事業主or法人の問題は皆さんも一度は考えたことがあると思います。
そこで今回は個人事業主から法人化するときのタイミングや、最近よく耳にする合同会社についての話をしてみます。
なぜ法人化という選択肢が生まれるのか?
ほとんどの創業者は個人事業主として開業すると思いますが、なぜ法人にしようと考えるようになるのでしょうか。
法人化を考えるようになるきっかけは大きく分けると3つです。
「売上が増えた」など事業の規模が大きくなってきた
取引先からの要望があった
支払う税金が多くなってきた
法人化を検討するときの正しい理由
これらの理由のうち、本当に法人化を検討するべきなのは2の取引先からの要望があったときです。
1や3のように事業規模や税金によって法人化することはお勧めしていません。というのもこれらの理由は事後的な対応(後手に回っている)であって、戦略がないからです。また多くの小規模企業では、法人化したところで節税はできません。むしろ法人化すると、税金が増えたり、事務作業が増えたりとコストが大きくなることが一般的です。
法人化の正しいタイミングは取引先からの要望があったときです。取引の関係上、法人でないとこれ以上大きな契約ができないなど、相手先から法人化について相談があったときが最も良いタイミングです。
この取引先は元請けだけではありません。仕入先や金融機関、従業員などさまざまな相手が含まれます。(ステークホルダーとも言います)
元請け
下請け
仕入先
販売先
取引金融機関
従業員 など
法人化を検討する前に、参入する市場についてよく調べておく
もし創業するときに法人化を検討している場合には、参入する市場についてよく調べておくことが重要です。法人でなければ参入できない市場もあれば、個人事業主でも問題ない市場もあります。
例えば一度の売買金額や請負金額が大きい場合は法人化しないといろいろと問題が発生します。金融機関からの借入も個人事業主だと難しいかもしれません。
飲食店や美容院などの開業であれば法人化する必要はないかもしれませんが、複数店舗展開を検討している場合には法人化も視野に入れておくほうがいいでしょう。というのも、運転資金が増えてくると、個人事業主の会計だと管理しきれないからです。
参入する市場について前もって十分調査した上で、法人化の要否について考えてみましょう。
法人化=株式会社設立?
法人化は株式会社を設立するだけではありません。最近では合同会社を設立する方も増えていますし、一般社団法人やNPO法人の設立も法人化の一つです。
法人化の種類
株式会社
合同会社
一般社団法人
NPO法人 など
法人化にはいろいろな選択肢があるので、どれが一番自社に合っているかを考えてみてください。
合同会社とは?合同会社を設立するメリットについて考えてみましょう
さまざまな法人がある中で、合同会社を設立するメリットはなんでしょうか?合同会社とは比較的簡単に設立できる法人です。設立費用が安いことや定款の認証を受けなくてもよい点が株式会社と比較して簡単な点です。
合同会社が他の法人と比べて優れている点
設立費用が安い
設立手続きが簡単
これらの他に優れている点は特にありません。とにかく安くて早く法人化したい方は合同会社を選ぶのが良いでしょう。
合同会社を選んだ場合、取引先からはどう思われるか
合同会社は簡単に設立できるというメリットがあります。これは良い点ではあるのですが、取引先などの第三者から見ると、「簡単に設立した会社」というように思われてしまいます。また、設立費用をケチったとも思われます。
合同会社の設立自体に良いイメージはありません。合同会社設立は、一般的には「設立費用が安い」「節税目的」と思われています。もちろん株式会社にも良いイメージがあるわけではありませんが、「節税目的」とは思われていません。
合同会社のメリットはない?
合同会社を選ぶ積極的な理由は、実際のところありません。登記する際の費用は株式会社の方が高いものの、1回きりのことです。1回きりの法人化なのに、わざわざケチる必要はありません。またせっかく法人化するのに、新しい会社にケチなイメージをつけなくてもいいでしょう。
ちなみに合同会社でできることは株式会社でも可能です。
まとめ(法人化・合同会社設立について)
法人化のタイミングを考えるときに、最も参考にしてほしいのが取引先の要望でした。またそのときには合同会社よりは株式会社を選んだほうがいいです。
創業するときには、参入する市場において法人であることが必要かどうかも調べておくといいです。法人化することで受注できる仕事が多くなることもあります。法人化は計画的に進めていきましょう。

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